映画

海軍特別年少兵

太平洋戦争末期、まだ１０代半ばの若さで戦争に駆り出され、祖国のために死んでいった海軍特別年少兵たちの短い生涯を、今井正監督が痛切なタッチで描いた戦争青春映画。

かつて、沖縄戦のひめゆり部隊の少女たちの悲劇を描いた「ひめゆりの塔」を1953年に発表し、大ヒットを飛ばした今井監督（後の1982年には、同作を自らリメイク）が、本作では、まだ年若き海軍特別年少兵たちの短くも鮮烈な生涯を痛切なタッチで描写。年少兵たちをしごく鬼教官を地井武男が熱演するほか、中村まなぶ名義で年少兵のひとりを印象的に演じているのは、実は若き日の中村梅雀。東宝が8．15シリーズと銘打って1967年から毎年夏に公開してきた戦争映画大作は、本作でひとまず終了した。