映画

蛇イチゴ

借金で崩壊寸前の一家に勘当された詐欺師の長男が帰ってくる。宮迫博之が長男役を飄々と好演した、家族の再生を描くシニカルドラマ。西川美和監督の劇場用映画デビュー作。

一家の大黒柱を担う夫、認知症の義父を健気に介護する妻、そして地元で堅い職に就く娘とその婚約者。絵に描いたような幸福な一家が、放蕩息子の帰還と時を同じくするように崩壊していく。2013年、「そして父になる」が好評を博した是枝裕和監督がプロデュースし、当時まだ新進気鋭だった西川美和監督を劇場用映画デビューさせた要注目作。脚本も監督自身が担当し、徹底してシニカルながらどこか希望を感じさせる家族の崩壊劇を綴り出した。宮迫博之と「櫻の園」のつみきみほという主人公兄妹に扮した2人が光る。