WOWOWブッククラブ

これまでWOWOWは長年にわたりテレビ・エンターテインメントを提供してきました。そして、様々な社会状況が変化している今だからこそ、新たな楽しみ方をご提供したいと考えるようになりました。そのパートナーとして、私たちが選んだのが「本」です。

本には私たちの人生を豊かにしてくれる不思議な力があります。ゆっくりと思いをめぐらせたり、知識や教養を深めたり、またある時は迷わせたりもする愉快な相棒になってくれます。私たちがお届けする映画やドラマなどの原作としてエンターテインメントの世界を支えてくれる存在でもあります。

番組を観て楽しむことに加えて、関連する本を読むことで更に楽しみが増えていく。そうした「楽しみ方の積み重ね」は、きっとあなたの日々を豊かにしてくれることでしょう。

WOWOWブッククラブとは?

WOWOWブッククラブは「番組と本をセットで楽しめる」企画です。
毎月のテーマを決め、そのテーマに沿ったおすすめ番組と関連する本をご提案します。

本を選んでくれるのは、ブックディレクターの幅允孝さん。番組から得られる物語性やイメージをもとに本をセレクトし、コメントを添えてご紹介していきます。

先に番組を観るのもよし、本から入るのもまた一つの楽しみ方。あなたにとって番組や本との新しい出会いになることを願っています。

幅さんにこのブッククラブの部長を務めていただき、今後は参加型のイベントなども企画していく予定です。

どうぞご期待ください。

WOWOWブッククラブ部長

幅允孝Yoshitaka Haba

有限会社BACH(バッハ)代表。ブックディレクター

人と本の距離を縮めるため、公共図書館や病院、動物園、学校、ホテル、オフィスなど様々な場所でライブラリーの制作をしている。最近の仕事として札幌市図書・情報館の立ち上げや、ロンドン、サンパウロ、ロサンゼルスのJAPAN HOUSEなど。2020年に開館する安藤忠雄建築の「こども本の森 中之島」ではクリエイティブ・ディレクションを担当。近年は本をリソースにした企画・編集の仕事も多く手掛ける。早稲田大学文化構想学部、愛知県立芸術大学デザイン学部非常勤講師。
Instagram : @yoshitaka_haba

photo:Kazuhiro Fujita 幅允孝

8月の番組テーマは「全米オープンテニス」

長らくのツアー中断期間を終え、いよいよグランドスラムが戻ってきます!完全無観客や関係者の人数制限など、万全の感染防止対策を取ることにより、予定通りの日程で全米オープンテニスが開催されます。およそ半年ぶりとなる「テニス」をより楽しんでいただくために、WOWOWブッククラブのテーマとして5冊の本をセレクトしました。

番組とセットで読んでほしい5冊

1冊目

青が散る

(上・下)

宮本輝(著)
文春文庫

青が散る

青が散る

えらんだ理由

 1982年に書かれた「THE青春小説」、『青が散る』。新設大学の一期生として入学した主人公 燎平が、テニス部を創設し、コートをつくり、仲間と出会い、好敵手と戦い、素敵な女性と出会い時間を過ごす王道のアオハル物語です。ヒロイン夏子も気まぐれで、直情的で、美しい。
 けれど、いま再読すると個々の影と喪失の方になぜか惹かれてしまうのは、自分が歳を取ったからでしょうか? 大学でテニスに興じるなど、自身は気恥ずかしくてできなかったし、羨望も含めて「ふん!」とそっぽを向いていましたが、彼らが喪ったものとこれから失うかもしれないものまで想起できるくらい客観的に読めるようになると、この物語の別の魅力に気づきます。
 とびきりきらめいている彼らの時間は、二度と繰り返すことのできない稀有な時間。そしてその舞台背景には、特別な輝きと孤独な一対一の対峙という両面を抱えたテニスという球技がもっとも似つかわしいように思えるのです。あなたがテニスを好きになったとき、周りにはどんな人がいましたか?

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2冊目

テニスプロはつらいよ

世界を飛び、超格差社会を闘う

井山夏生(著)
光文社新書

テニスプロはつらいよ

えらんだ理由

 全米オープンの1回戦。有名選手と当たる無名の誰かが、そこにたどり着くまでにどれほどの苦労とドラマを経てコートに立っているのかが分かる1冊です。
 年間1ヶ月しかオフがないという過酷な日程のプロテニス選手。実は視聴者が目にする機会が多いことの裏返しで、スポンサーとの契約金は他の競技と比べても割高だといいます。が、残念ながらそれはごく一部の限られた者のみ。
 そして、この本は厳しい格差社会であるプロテニスの世界を下から見つめるユニークな1冊。具体的には、プロ7年目(2016年発刊当時)、最高ランク259位の関口周一選手の目線からテニスプロのサバイバル生活を知るのです。
 ジュニア時代に世界ランク最高5位まで到達した関口選手。著者の「テニスジャーナル」誌元編集長 井山さんは、そんな彼がプロを意識するに至った経緯を両親の話も交えながら丁寧に追い、テニスの夢の理想と現実を読者に突きつけます。教育論としても読めるし、一方ではテニスを巡るお金の事情も赤裸々にします。
 ラケット6本、シューズ3足、テニスシャツ・パンツ各10枚、トレーニング用のマットを抱えながら世界中の下部トーナメントを周るサバイバル生活は、得られる可能性のポイントと、交通費を秤にかけながら、僕らの知らないところで続きます。1つのショットが、1つの決断が、人生を大きく左右するのだと痛感すると共に、その世界でもがき続ける関口選手を誰もが応援したくなってくるはずです。

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3冊目

RACQUET

Racquet Publishing

RACQUET

えらんだ理由

 表紙でメドベージェフ選手がトレーニングしているこちらは、『RACQUET』というアメリカ発のテニス雑誌です。近年のスポーツ雑誌は、試合結果や大会プレビューなど即時性が必要な情報をオンラインメディアに譲った一方、アート性の高さや記事の深掘りなどで独特のポジションを再構築しつつあります。特にフットボール界隈では各国からグラフィカルなサッカー雑誌が多々発刊されてきましたが、その波がついにテニスの世界にもやってきたという感じです。
 最新刊の『RACQUET』13号目もベルリン在住のアーティストの親類が書いたテニス教本へのオマージュページがあれば、敢えて望遠レンズではなくポラロイドで撮ったトップテニスプレイヤーのポートレイト(大阪選手は目を閉じちゃってます)もあるなど、ユニークな視点でテニスを別角度から見せてくれます。なかでも、昨年のデビスカップが行われたマドリードの会場「Caja Magica」(スペイン語で魔法の箱)で、テニス場仕様にあっという間に館が変わっていく魔法のようなプロセスを美しい建築写真として捉えた特集は圧巻。
 全米オープンの行われるアメリカでは、(読み捨てじゃなく保有欲をかきたてる)テニスの先端を捉えるマガジンが注目されているのです。

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4冊目

ラブ・ゲーム

テニスの歴史

エリザベス・ウィルソン(著)
野中邦子(訳)
白水社

ラブ・ゲーム

えらんだ理由

 テニスにおいて「0」=「ラブ」というのは何故か? 諸説あるようですが、そんなテニスを文化人類学史の視点から、愛をたっぷり込めて書いた1冊がこちらです。
 著者の英国人エリザベス・ウィルソンさんは1970年代から政治、ファッション、文化など様々なジャンルを横断してきたジャーナリスト。ヴィクトリア朝時代に貴族たちがガーデンパーティーの余興として始めたローン(芝の上の)テニスが、どのような経緯を経て今のようなスポーツに変わっていったのかを、黎明期、戦後期、1968年のオープン化以降の大転換、コマーシャリズムとそこに反抗する悪童たちなど主に3つの章立てで伝えてくれます。
 著者が元々フェミニズム記事を多々書いていたこともあり、テニス界における性差別や人種差別、LGBTQの問題を丹念に資料をあたりながら炙り出しているところは読み応えたっぷり。
 一方、反逆精神を持っていたマッケンローやボルグ、コナーズ、更には世界初のプロテニス選手となったスザンヌ・ランランなど歴代の英雄たちに愛情をたっぷり注いでいる部分からは著者の人柄がにじみ出ます。
 そもそも、観客から常に(愛の)視線を受け続けるテニスというスポーツは、正確なショットの応酬、ストロークにつぐストローク、そしてそんな緊張状態の中で返球できなかった瞬間に相手ポイントが入ります。つまり、均衡が崩れ、溢れる瞬間を見るのがテニス。だとしたら、それは誰かに図らずも恋してしまう感覚にすごく近いのかもしれないとエリザベスさんは言います。ゆえに、タイトル通りテニスは「愛の」ゲームなのです。

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5冊目

ベイビーステップ

勝木光(著)
講談社コミックス

ベイビーステップ

えらんだ理由

 最後に紹介するのは、テニスマンガの王道『ベイビーステップ』。2007年から17年まで続いたこの作品は、テニス経験もある著者の勝木光さんが理論的にテニスを描いているところが最大の特徴です。
 学校のテニス部ではなくテニススクールを舞台にしたこのマンガは、主人公の丸尾栄一郎(エーちゃん)君が遅ればせながら高校入学後にテニスを始めるところから歩み出します。最初は体力不足も含めなかなか結果を出せないエーちゃんですが、生真面目、几帳面、努力は惜しまずの性格が幸いして、みるみる実力を伸ばしていきます。しかも、彼は動体視力も含め目が良かった。
 全てのボールに追いつき、それをコントロールできれば理論的には絶対負けない。そんなテニスの根幹を学び、技術的、戦術的な練習を繰り返すエーちゃんが驚くスピードで進化を遂げていくのは必然。そのうねりに巻き込まれれば、全47巻はそんなに長く感じないでしょう。
 ちなみにこのマンガの終わり方には賛否両論あるようですが、僕はあれでよかった気がしています。何故ならエーちゃんのテニス道は読者の頭の中で永遠に続いていくものですから。

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来月も素敵な本に出会えますように

9月分は9/1(火)頃に
更新の予定です。

これまで紹介した本。

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「全米オープンテニス」 大坂なおみ、バーティ、ナダル、アンドレスク、ジョコビッチ Getty Images、錦織圭 写真:アフロ、スタジアム 写真:AP/アフロ

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オンデマンドでの同時配信対象外
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、PG-12指定(12歳未満は保護者同伴が望ましい)されたもの
劇場公開時、PG12指定(小学生以下は助言・指導が必要)されたもの
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R-15指定(15歳未満鑑賞不可)されたもの
R-15指定に相当する場面があると思われるもの
劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの

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