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NBA16-17シーズン

NBAコラム

Vol.273 カリー率いる最強ウォリアーズの死角は?連覇を目指すキャブスはレブロンに全てを託す

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プレーオフもいよいよ佳境に入り、頂点を目指した激しい戦いが繰り広げられている。今回はWOWOWのNBA解説でもおなじみの佐々木クリス氏にお話を伺い、今季頭一つ抜けた感のあるゴールデンステート・ウォリアーズを数値で分析。史上最強軍団の攻略法を探る。


◆負け試合から分析する、ウォリアーズ攻略法

レギュラーシーズンで67勝15敗。8割の勝率で他を圧倒したウォリアーズ。史上最強のスター軍団は、そのずば抜けた戦力から、優勝の大本命と言われている。

「ウォリアーズは『じゃんけん』でいえば、グー、チョキ、パーの全てをもっているチーム。相手がどう出てこようが対応できてしまうだけに、最強と言われるのだろう」。

NBAアナリストのクリス氏は数々のデータからみても、ウォリアーズの強さを実感するという。しかし、最強と言われるチームでも、15試合は負けている。この15試合のデータを見れば、ウォリアーズ攻略方法が見えてくるかもしれない。クリス氏にデータをもとに分析してもらった。

「相手より3ポイントシュートの成功率で下回った試合は8勝10敗。さらに相手に3ポイントを12本以上決められた試合は9勝9敗。つまり、シーズン15敗中の10試合は3ポイントで競り負けた試合であり、さらにそのうち9試合は、相手に12本以上決められた試合だったということになる」。

より深く内容を観ていくと、相手に3ポイントを12本以上決められ、その上「リバウンドで下回った試合も、3勝8敗とおよそ2割の勝率にとどまる。また、ウォリアーズが100点以下に抑えられた試合は0勝6敗と負け試合のみとなっている」。

総合するとウォリアーズから勝利を得るには、インサイドで勝つことは最低条件にすぎない。その上で、ステフィン・カリーやクレイ・トンプソンを相手に3ポイントで上回るという非常に困難なミッションの達成が必要となる。

だが、ある試合にそのヒントが隠されていた…。



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Getty Images

◆スパーズの戦術がウォリアーズを追い込んだ試合

昨季は73勝9敗。NBA歴代最多勝利記録を更新したウォリアーズ。わずか9敗しかしなかったシーズンで、ウォリアーズが唯一『実力で完敗した試合』があったとクリス氏は振り返る。

それが、2016年3月19日に行われたサンアントニオ・スパーズとの1戦だ。試合は87-79でスパーズが勝利。ウォリアーズが得意とする3ポイントが全く入らず、トンプソンは7本中1本成功のみ。カリーに至っては12本中わずか1本の成功にとどまり、終始スパーズが主導権を握って勝利を手にした試合だった。

「この試合では、パワーフォワードのオルドリッチをセンターに起用し、ウォリアーズと同様に機動力で勝負したスパーズ。ミスマッチを意図的に作ることで、ウォリアーズの選手を巧みに誘導しました」とクリス氏。

本来なら澱みないパス回しで、相手を圧倒するウォリアーズだが、この試合では、スペースをうまく作れないまま、個人で仕掛ける場面が多くみられ、自滅する結果となった。

「ミスマッチに誘導するという選手の本能を巧みに突いた戦術によって、ウォリアーズはスパーズの手の平で転がされたという感じ。この試合だけは唯一、ウォリアーズが完敗した試合といっていいだろう」。

1試合だけだが、戦術でウォリアーズを圧倒したというのは紛れもない事実。しかも、今季はまだウォリアーズ相手にスパーズはこの戦術を試していない。これをどう見るか。

敢えてレギュラーシーズンでは手の内をみせず、プレーオフでウォリアーズにぶつけてくるとしたら、面白い展開が見られるかもしれない。


◆失速した昨季の王者は大丈夫なのか?

西のウォリアーズ、東のクリーブランド・キャバリアーズ。今季も東西の両雄がリーグをけん引してきた。しかし王者キャバリアーズの2連覇に、早くも黄色信号が点滅。そんな風に感じているファンも多いだろう。

東カンファレンスで首位をキープしてきたキャバリアーズだが、シーズン終盤に失速。3月27日のスパーズ戦で大敗した後、ついに首位の座から陥落し、2位通過でのプレーオフ進出となった。しかし、クリス氏は特に驚きもせず答える。「こうなることは想定内で何の問題もない。例え2位通過であっても、キャブスはファイナルに駒を進めてくるでしょう」。

大黒柱のレブロン・ジェームズは過去5回、レギュラーシーズンを東の2位通過でプレーオフに臨んでいるが、その5回ともファイナルまで駒を進めている。「今年もファイナルに進むのはキャブスが本命であることに変わりない」。しかし、優勝となると話は別だという。

クリス氏が指摘するのは『ディフェンス・レーティング(相手の攻撃100回あたりの失点)と呼ばれる、ディフェンス力の大幅な低下』だ。

「昨年はリーグ10位のディフェンス力で優勝を決めたが、今年は22位まで後退している。同じく優勝候補筆頭のウォリアーズのディフェンス力はリーグ2位、オフェンス力に至ってはリーグ1位を誇り、昨季以上に総合力は上がっている。この数値からみても、キャブスの優勝はかなり厳しい」。



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Getty Images

◆キャブスの連覇、全ては「キング」次第

しかし、希望はあるという。そこでクリス氏は、優勝チームが翌年のシーズンで大きくディフェンス力が低下したにもかかわらず、2連覇を果たした例をあげ可能性を探ってみた。

「過去のデータを見てみると、1988年のレイカーズ、1995年のロケッツ、2001年のレイカーズが当てはまる。特に2001年のレイカーズは今年のキャブスと類似している」と言う。

「優勝した2000年のディフェンス力はリーグ2位だったが、翌年のディフェンス力は一気に22位まで落ちこんだ。にもかかわらず、プレーオフはファイナルまで無敗で進み、最終的に2連覇を成し遂げている」。これを見れば、「現在、リーグ22位のディフェンス力であるキャブスの2連覇も望みがないことはない」とクリス氏。

しかし、ここで注意したい点があるという。「2001年のレイカーズはオールスター以降、徐々にディフェンスの改善がみられたが、今年のキャブスはオールスター以降、輪をかけてディフェンス力が落ちてきている。例え、キャブスがプレーオフに照準をあてて余力を残し、戦っていたとしても、この短期間でどこまで立て直すことが出来るか…」。

不安要素は大きいが、昨年のNBAファイナル史上初、1勝3敗から逆転優勝を果たしたキャバリアーズだけに、数字では測れない底知れぬ力を感じるのも事実。「昨年キャブスが逆転優勝した事実は歴史的には3%の事象。それを成し遂げた原動力は、やはりレブロン。彼の覚醒がチームにもたらす影響は計り知れない」とクリス氏。


◆カリーの前に立ちはだかるのはレブロン

現役最強のプレーヤーと言われるレブロンの底力は、数値で測れない可能性を秘めている。「結局のところ、ウォリアーズを止められるのは、キャブスというより『キング・レブロン』でしかない」。

ディフェンス、オフェンスとともに、リーグトップクラスの実力をもつウォリアーズと、ディフェンスがリーグ22位まで落ち込むキャバリアーズとのチーム格差は否めない。しかし、キャバリアーズにはキング「レブロン」がいる。それが唯一の希望であり、ウォリアーズにとっては最大の脅威なのだ。

「カリーを止められるのはレブロンだけだろうし、その存在感で相手にプレッシャーを与えられるのも、レブロンだけ」とクリス氏。「ウォリアーズの歯車を狂わせることが出来れば、キャバリアーズにも勝機はある。レブロンの圧倒的な存在感が、どれだけウォリアーズを苦しめるのかがポイント」。

さらにクリス氏は、レブロンのポジションにも注目する。通常、レブロンはスモールフォワードでプレーするが、クリス氏は「彼がもっとも生きるのは、パワーフォワードであり、センターのポジション」と語る。

その理由は、「レブロンがコート上で一番背が高かったら、あの人を止められるのはいったい誰か?ということ。リバウンドもディフェンスもブロックも支配できる。つまりレブロンがインサイドを支配する」。

レブロンがインサイドを支配する。そうなることで、「初めて、ウォリアーズに対して、アウトサイドでもキャブスが優位に立てる可能性が出て来る。彼がパワーフォワードでプレーすることによって、キャブスにも勝つチャンスが生まれる」とクリス氏は考えるのだ。

盤石な体制でプレーオフを戦うウォリアーズに対し、不安要素を抱えながら戦い続けるキャバリアーズ。たどった道は違えども、ファイナルで顔を合わせるのは、今年もこの2チームとなるのだろうか。

まもなく頂上決戦が始まる!自身の目でその結末を見届けよう!!



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佐々木クリス

佐々木クリス
1980年生まれ。
出身:NY
青山学院大学卒。大学時代にインカレ優勝経歴を持ち、2012年よりbjリーグ千葉ジェッツ、翌年は同リーグ東京サンレーヴスに所属。現役時代よりWOWOW NBA ONLINEナビゲーターとして、WOWOWのNBA放送では同時通訳、NBAファイナル現地レポートなどを担当。13-14シーズンよりNBAアナリストとして解説を務める。


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