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【コラム】遂にフィナーレ 藍の夢の終着点

2017/08/24

宮里藍がLPGA初優勝を飾った2009年のエビアンマスターズ。本人も最も印象に残っている試合だという。(写真提供:Getty Images)

 LPGAツアー通算9勝の宮里藍に「一番印象の残っている試合は?」と尋ねると「2009年のエビアンマスターズ(現エビアン・チャンピオンシップ)」という答えが返ってくる。

 海外本格参戦4年目にしてようやく勝利の女神が微笑んだその大会。初めて訪れたときからレマン湖を眼下に臨む丘陵コースに藍はシンパシーを感じたという。景色は違うが故郷・沖縄と似た空気感が心地よかった。

 のちにメジャーに昇格する大会での初優勝は観る側にとっては少々待たされた気もするが「遠回りじゃなかった。私にはこの時間が必要だったのです」と大粒の涙をこぼした藍の泣き笑いは美しかった。

 ソフィー・グスタフソンとのプレーオフ1ホール目(18番パー5)。プレッシャーのかかる場面、ドライバーで放った1打目がフェアウェイをとらえたとき「ショットのスランプを完全に払拭できた」という思いが全身を貫いた。飛ばし屋相手に果敢にグリーンを狙った第2打は右のバンカーにつかまったが、決して慌てることはなかった。

 バンカーからのアプローチを1.2メートルに寄せて迎えたバーディパット。相手がミスをしていたため、それを沈めれば恋い焦がれた瞬間が訪れる。

「その1メートルちょっとが、すごく長く感じられて…」

 ウィニングパットがカップに吸い込まれた瞬間、一気に感情がこみ上げた。慌ててキャップのツバを押さえ涙を隠した。

 その勝利が翌2010年、開幕2連勝(ホンダPTT LPGAタイランド&HSBC女子チャンピオンズ)の快挙につながる。ちなみに10年は“出れば勝つ”を実践したプロデビュー当時を彷彿させるかのように5勝を挙げロレックスランキング(世界ランキング)1位に上り詰めた。

 てっぺんからの景色は壮観だった。しかし真面目な性格ゆえ「自分はナンバー1に相応しいのだろうか?」という戸惑いもあった。華やかな世界でスポットライトを浴びながら、心の中の葛藤が邪魔して優勝が遠くなった。そんな藍を救ったのが再び訪れたエビアンマスターズ(2011年)での勝利だった。

 およそ1年ぶりのツアー通算7勝目には大きな意味がある。実力者ステーシー・ルイスとの優勝争いを制したこともそうだが、渡米以降、初めて両親の前でトロフィーを掲げることができたのだ。そしてもう1つ、3月に起きた東日本大震災に心を痛め「日本のために戦う」と誓った試合で掴んだ栄冠に喜びもひとしおだった。

 表彰台に立ち「また何度でも優勝したい」と実感を込めたエビアンの季節が今年もやってくる。引退前、有終の美を飾るのにシーズンメジャー最終戦ほど相応しい舞台はない。

 凛として白球に立ち向かう藍の勇姿をこの目に焼きつけたい。

> 【関連番組】ニッポンを応援しよう!激闘スポーツウィーク
> 【コラム】宮里藍の軌跡(#1 6/23配信分)
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●川野 美佳 [かわの みか]
東京生まれ。通訳のかたわらゴルフ雑誌、新聞、インターネットなどで執筆活動を行い、翻訳も手がける。主な訳書に『タイガー・ウッズ/私のゴルフ論』『ブッチ・ハーモンの勝者のゴルフ』『ゴルフ54ビジョン』ほか。


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