【木村浩嗣コラム】レアルvsヘタフェ、バルサvsアトレティコに興味深い共通点、「キラー+お膳立て役」の関係性

  • 2018/3/2

text by 木村浩嗣

今週末に行われるレアル・マドリードvsヘタフェ、バルセロナvsアトレティコ・マドリード。この2試合には興味深い共通点がある。それは4チームとも[4−4−2]を採用する可能性が高いということだ。[4−4−2]には前後のサポート関係が明確でコンパクトに守りやすいという特徴がある。だから、引いてカウンターというプレースタイルをヘタフェと、A・マドリードが採用するのはわかる。だが、ポゼッションサッカーのR・マドリードとバルセロナがなぜこのシステムを採用するのかには、それぞれ別の事情がある。

R・マドリードの場合は、BBC(ベイル、ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウド)を[4−3−3]で配置すると守備が脆くなる。3人ともそろって守りが苦手だからだ。特にヘタフェ戦はクロースとモドリッチの出場が微妙で、もし2人が不在となるとポゼッション力が落ちて危険なボールロストが頻発しかねない。だからBBCがそろい踏みした場合でもベイルを1列下げた[4−4−2]で臨むだろうし、BBCのうち調子の上がらないベイルを温存(3月6日のパリ・サンジェルマン戦に備え)して、最初からMF4人(カゼミーロ、コヴァチッチ、アセンシオ、ルーカス・バスケス)で臨むことも十分考えられる。

バルセロナの場合は、ネイマールを放出したのが[4−3−3]から[4−4−2]へ変化した最大の理由。代役のデンベレも加入してすぐにケガをし、パコ・アルカセルとデウロフェウ(すでに移籍)も期待外れで、バルベルデ監督は苦肉の策としてMFを4人にした。そうしたら、①ボランチがセルヒオ・ブスケツとラキティッチになったことで守備が厚くなった、②中盤の重要度が増しイニエスタが主役となって帰って来た、③左SBジョルディ・アルバの攻め上がりの回数が増えたという、3つのポジティブな連鎖反応が起き、今ではすっかりメインシステムとして定着した。 4チームとも[4−4−2]であるということで2トップに注目して2試合をプレビューしてみたい。顔ぶれを見ればわかる通り、「キラー+お膳立て役」という構成で、どのコンビも組まれている。

◆器用な柴崎の使い方次第でゲームが動く

R・マドリードの場合は、調子の上がるC・ロナウドがフィニッシャーで、ベンゼマがアシストの供給役。ベンゼマはFWなのに得点力がないと批判されるが第25節ヒールでのトリッキーなアシストを見せたように、C・ロナウドやベイルのゴール演出役として十分機能している。対するヘタフェの場合はアンヘル(またはホルヘ・モリーナ)がキラーで柴崎がお膳立て役。ヘタフェが得意とするロングカウンターには本来、ポストプレーができるホルヘ・モリーナと得点力があるアンヘルのコンビが組み合わせとしてはベストなのだが(この場合は両方がフィニッシャー)、強敵相手のアウェイゲームとあって、勝ち点1をもぎ取ったカンプ・ノウでのバルセロナ戦同様、セカンドトップは守備のうまい柴崎を先発させるのではないか。

延期となっていた第16節レガネス(1−3)、第25節アラベス(4−0)とヘタフェと同タイプの堅守速攻型のチームに大勝したR・マドリードだが隙がないわけではない。アラベス戦での零封は実は今年に入って3回目で、残り11試合は必ず失点しているのだ。ヘタフェは柴崎以下10人が自陣に籠る形で攻撃をしのぎ、0−0の時間をなるべく長くしたい。そして、その形から手数も人数もかけず2トップ間でカウンターに持ち込む。カウンターのパターンは相棒がホルヘ・モリーナになるかアンヘルになるかで変わってくる。ホルヘ・モリーナの場合は彼にボールを一度当てリターンをもらった柴崎が裏へスルーパスを送り込む形(ロングカウンター型)、アンヘルの場合はまず柴崎がボールもらい相棒を裏へ走らせてスルーパスを送り込む形(ショートカウンター型)で、いずれも決まればGKとの1対1を演出することになる。

R・マドリードにリードされた場合は、柴崎をMF(ボランチまたは左サイド)に動かしてホルヘ・モリーナとアンヘルの2トップと組ませる手もある。トップでありながらMFも兼任できる器用さは柴崎独自のもので、ホセ・ボルダラス監督にとっては使い方次第で攻守バランスを[4−2−3−1]的にも[4−5−1]的にもできる柴崎は、非常に使い勝手の良い選手である。トップ以外でのプレーも見られるかもしれない。

◆堅守同士の“優勝争い”。鍵は少ないゴールチャンス

1位バルセロナと2位A・マドリードの“優勝争い”は、互いの堅守(失点の少なさでリーグ2位と1位)を打ち砕く「フィニッシャー、ルイス・スアレス+演出家メッシ」VS「フィニッシャー、ジエゴ・コスタ+演出家グリーズマン」の戦いである、とも言える。シメオネ監督はコンパクトにスペースを埋めバルセロナのパスワークを封じ接戦に持ち込む戦い方をしてくるだろう。ゴールチャンスがほとんどない展開で、どちらかの2トップが2点を挙げた時点で勝敗は決するに違いない。第25節はジローナ相手にルイス・スアレスが3点、メッシが2点、セビージャ相手にジエゴ・コスタが1点、グリーズマンが3点と強力な破壊力を見せつけたが、見ものはまずは両者の守り合い:それもポゼッションによる守備、非ポゼッションによる守備という対照的な守備戦術がかみ合う形となる。

その中で、誰が単独で試合を決められるか、と言えばメッシしかいない。ドリブル、アシスト、シュート、FKと、今のメッシは世界最高の選手の名にふさわしいレベルの違うプレーを見せており、彼の天才がひらめいたならシメオネにも、彼が鍛え抜いたリーガ最少失点11の守備陣にも止められないだろう。

クラシコ



◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆
★『スペインサッカー リーガ・エスパニョーラ』
WOWOWにて毎節最大5試合生中継!

【第27節】
・「セビージャvsA・ビルバオ」 3/3(土)深夜0:00~[WOWOWライブ]※生中継
・「デポルティーボvsエイバル」 3/3(土)深夜2:20~[WOWOWライブ]※生中継
・「R・マドリードvsヘタフェ」 3/4(日)午前4:30~[WOWOWライブ]※生中継
・「バルセロナvsA・マドリード」 3/4(日)深夜0:00~[WOWOWライブ]※生中継
・「バレンシアvsベティス」 3/5(月)午前4:30~[WOWOWライブ]※生中継

【リーガ首位決戦!第27節 5試合連続キーワードクイズ!】 3/3(土)から3/4(日)にかけて開催されるリーガ・エスパニョーラ第27節は注目試合が目白押し!全5試合の生中継内で発表する別々の「文字」を並べて「キーワード」を完成させよう!正解者のなかから抽選で6名様に選手直筆サイン入りユニフォームをプレゼントいたします。
詳しくはこちらから!

★『リーガダイジェスト!』
今シーズンから時間を拡大してパワーアップした必見のリーガ情報番組。
週末に開催する全試合の全ゴールに加えて、貴重な選手インタビューや特集企画をお届けする。
【放送日】3/5(月)よる8:00~[WOWOWライブ]ほか

スペインサッカー リーガ・エスパニョーラ来季2018-19シーズンもWOWOWで放送!

もっと見る

閉じる

My番組登録とは?

My番組登録で見逃し防止!

見たい番組、気になる番組をあらかじめ登録。
放送時間前のリマインドメールで番組をうっかり見逃すことがありません。

利用するには?

WEB会員IDをご登録のうえ、ログインしてご利用ください。

WEB会員IDをお持ちでない方
WEB会員IDを登録する
WEB会員IDをお持ちの方
ログインする
閉じる

番組で使用されているアイコンについて

初回初回放送
新番組
最終回
生放送
5.15.1chサラウンド放送
二カ国語版二カ国語版放送
吹替版吹替版放送
字幕版字幕版放送
字幕放送
無料ノンスクランブル(無料放送)
PG-12指定2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、PG-12指定(12歳未満は保護者同伴が望ましい)されたもの
PG12指定劇場公開時、PG12指定(小学生以下は助言・指導が必要)されたもの
R-15指定2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R-15指定(15歳未満鑑賞不可)されたもの
R-15指定相当R-15指定に相当する場面があると思われるもの
R15+指定劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定相当R15+指定に相当する場面があると思われるもの
R指定1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの