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みどころ・試合内容 /
2017年8月21日 放送

みどころ・試合結果

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  • みどころ

4階級制覇王者 VS 3階級制覇王者
「瓢箪から駒」で実現の注目ファイト

 今年1月にWBC世界ライト級王座を獲得して3階級制覇を成し遂げたミゲール・マイキー・ガルシア(29=アメリカ)と、2月にウェルター級の世界ランカー対決で辛勝したエイドリアン・ブローナー(28=アメリカ)。両者はダブル・メインとして同じイベントに出場することになっていたが、ともに相手探しが難航。そこで中間のスーパー・ライト級(約63.5キロ)の契約体重で直接対決する案が浮上し、交渉が成立したという経緯がある。思わぬかたちで実現した歓迎すべき注目ファイトといえる。勝者にはWBCのダイヤモンド・ベルトが贈呈されることになっている。
 父親のエドゥアルドがトレーナー、元世界王者の兄ロベルトも引退後はトレーナーを務めるというボクシング一家に生まれ育ったガルシアは、14歳で本格的にボクシングを始めた。アマチュアでは国際的な実績を残すことはできなかったが、06年に18歳でプロに転向してからは36戦全勝(30KO)とリング上では一度の挫折も経験せずに現在に至る。世界王座は13年1月にWBOフェザー級王座を獲得したのを皮切りに、同年11月にWBOスーパー・フェザー級、そして今年1月にWBCライト級を制覇してきた。その一方、フェザー級時代には初防衛戦を前に体調不良のため規定の体重をつくれず計量で失格、王座を失うという苦い経験をしている。また、14年から17年にかけてプロモーターとの摩擦から試合枯れとなり、2年半もブランクをつくるなど辛い時期もあった。
 ガルシアは生来の右利きだが、機をみて左構えにチェンジすることもできる器用さを備えている。それ以上に特徴的なのが右ストレートの破壊力だ。左ジャブで射程をつくり、思い切りのいい右で仕留めるというKOパターンを確立しているといえる。左のボディブローや近距離でのアッパーも巧みだ。
 一方、ブローナーは9歳のときに双子のアンドレとともにジムに行ってボクシングを始め、アマチュアでは319戦300勝19敗という戦績を残した。08年5月、こちらも18歳でプロに転向し、5年間は快進撃を続けた。11年にWBOスーパー・フェザー級王座につくと、12年にはWBCライト級とWBAウェルター級王座を獲得。最初の戴冠から1年7ヵ月という短期間で3階級制覇を達成してみせた。スピードとテクニックに長けている上、パワーも平均以上もものを誇り、左腕を下げたL字ガードに加えて饒舌――そのため一時は「フロイド・メイウェザー(アメリカ)の後継者」と呼ばれたこともあった。
しかし、体重の増減に無理があったのか、13年12月にマルコス・マイダナ(アルゼンチン)に敗れてからは勢いを失った感がある。以後の7戦ではWBAのスーパー・ライト級王座を獲得するなど6勝(2KO)1敗とまずまずの成績だが、以前のような爆発力は失せている。私生活で数々の問題を起こしたうえ、世界戦の計量で2度も失格するなど「プロブレム(問題を起こす男)」のニックネームそのままのトラブル・メーカーといえる。今回の試合が契約される際にも、どちらかが体重オーバーした場合は報酬の半額に相当する50万ドル(約5550万円)の罰金を払う約束が交わされている。
 直近の試合ではライト級のガルシアとウェルター級のブローナーの間には2階級の開きがあるが、データをみてみるとガルシアが身長168センチ、リーチ173センチなのに対し、ブローナーは168センチ、175センチとほぼ同じ数字が並ぶ。ガルシアの体格面のハンディキャップは少ないと判断してよさそうだ。
 ブローナーもパンチ力はあるが、コンビネーションで倒す印象が強い。これに対しガルシアは一撃でキャンバスに沈めるパワーを持つだけに、この点ではライト級王者に分がありそうだ。そのアドバンテージを生かしてガルシアが圧力をかけながら主導権を握り、元4階級制覇王者を煽る展開に持ち込む可能性が高い。オッズは5対2でガルシア有利と出ている。ただし、ブローナーも地力があるだけに簡単な勝負にはならないだろう。

 


Written by ボクシングライター原功

スーパー・ライト級トップ戦線の現状

WBA  :ジュリアス・インドンゴ(ナミビア)
WBC  :テレンス・クロフォード(アメリカ)
IBF  :ジュリアス・インドンゴ(ナミビア)
WBO  :テレンス・クロフォード(アメリカ)

 現在のスーパー・ライト級は暫定王者が存在せず、17階級のなかで最もすっきりした分かりやすい構図の階級といえる。世界王者はWBAとIBFのベルトを持つジュリアス・インドンゴ(34=ナミビア)と、WBCとWBOのベルト保持者、テレンス・クロフォード(29=アメリカ)のふたりだけだ。しかも、この両者は統一戦を行うことが決まっており、遠からず4つのベルトが1ヵ所に集まることになる。長身サウスポーのインドンゴ、万能型のスイッチヒッターのクロフォード、オッズは8対1でクロフォードに大きく傾いている。順当にいけば総合力で勝るクロフォードが試合を支配するものと思われるが、2試合続けて敵地で劣勢の予想を覆しているインドンゴも自信を増しているだけに侮れない。
 このふたりを追う一番手はIBFの指名挑戦権を持つセルゲイ・リピネッツ(28=カザフスタン)だろう。昨年12月の挑戦者決定戦でレニー・ザッパビーニャ(オーストラリア)を8回KOで下した試合を含め12戦全勝(10KO)の快進撃を続けている。
 WBA1位にランクされるランセス・バルセレミ(31=キューバ)は元スーパー・フェザー級、ライト級王者で、27戦26勝(13KO)1無効試合と無敗をキープしている。WBO1位のアントニオ・オロスコ(29=アメリカ)も26戦全勝(17KO)と勢いがある。インドンゴの前の王者、エドゥアルド・トロヤノフスキー(37=ロシア)も返り咲きに意欲をみせている。
 こうしたなかで今回のミゲール・マイキー・ガルシア(29=アメリカ)対エイドリアン・ブローナー(28=アメリカ)の一戦が行われるわけだ。当然、勝者は遠からず王座に絡んでいくことになるだろう。そういった意味でも注目度の高い試合といえる。



  • みどころ

2階級制覇への足掛かりをつかみたいチャーロ
2度目の挑戦目指すヘイランド

 25戦全勝(19KO)というレコードを誇るジャーマル・チャーロ(27=アメリカ)は今年2月、3度防衛したIBF世界スーパー・ウェルター級王座を返上、ミドル級転向を表明した。実績が評価されてWBC2位の肩書を得て今回のチャンスをつかんだ。チャーロはスピードとパンチの切れを売りにする強打者で、まだ27歳と若い。ミドル級で馴染めば近い将来の核になる可能性を秘めた選手といえる。
 対するサウスポーのセバスチャン・ヘイランド(30=アルゼンチン)は数年前からミドル級の上位常連で、10年7月にはWBC暫定王座に挑戦したこともある(セバスチャン・ズビックに12回判定負け)。3年前にはマシュー・マックリン(イギリス)との世界ランカーで10回KO勝ちを収めてもいる。その試合を含め目下8連勝(7KO)と勢いづいている。こちらもベストのタイミングでチャーロ戦を迎えたといえる。戦績は35戦29勝(16KO)4敗2分。
 ヘイランドに勢いがあるのは事実だが、それがチャーロを上回っているとは思えない。コーネリアス・バンドレイジ(アメリカ)、オースティン・トラウト(アメリカ)の世界王者経験者や、無敗だったジュリアン・ウィリアムス(アメリカ)を下しているチャーロの方が総合力では上と見るべきだろう。16対1というオッズが出ているように、チャーロがスピードと右ストレートを生かして序盤から圧倒するという見方が多い。その一方、一度もKO負けのないヘイランドの粘りに遭い、苦戦する可能性もある。

 


Written by ボクシングライター原功

  • みどころ

54度目のKO勝ちを狙うジョニゴン
3階級制覇への布石となるか

 バンタム級とフェザー級で世界制覇を成し遂げている35歳のベテラン、ジョニー・ゴンサレス(メキシコ)は現在、スーパー・フェザー級でWBC5位にランクされている。ターゲットは7月に三浦隆司(帝拳)を下して初防衛を果たしたWBC王者のミゲール・ベルチェルト(メキシコ)だ。その一戦に向けて前進するためにも、今回の試合は圧倒的な内容の勝利、つまりKO勝ちがノルマといえそうだ。
 18年のキャリアで73戦63勝(53KO)10敗の戦績を残しているゴンサレスは軽中量級を代表する強打者で、特に左フックのタイミングと破壊力は抜群だ。ナチョ・べリスタイン・トレーナーに師事してからは右のパワーも増している。反面、打たれた際の耐久力に永遠の課題を抱えており、それが長期安定政権を築けなかった要因ともいえる。
 ロサレスは22戦21勝(9KO)1分のレコードを残している25歳の若手だが、まだ世界的な強豪との対戦経験はない。実力未知のホープといえる。
 経験豊富なゴンサレスが左フックで新鋭を沈めるのか、それとも無名のアジア人が番狂わせを起こして一気に世界戦線に浮上するのか。

 


Written by ボクシングライター原功

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