KO率83%の王者 vs 元スーパー・バンタム級王者
攻撃力で勝るバルデスが接戦を抜け出すか

  • 2018/04/20

 23戦全勝(19KO)、約83パーセントのKO率を誇るオスカル・バルデス(27=メキシコ)の4度目の防衛戦。かつて1階級下のWBAスーパー・バンタム級王座を5度防衛した実績を持つスコット・クィッグ(29=イギリス)が相手だけに、そう簡単には勝たせてもらえないだろう。
 バルデスはアマチュア時代に08年北京五輪と12年ロンドン五輪にバンタム級メキシコ代表として出場した経験を持っている。北京では初戦敗退だったが、ロンドンではベスト8入りを果たした。このほか09年世界選手権では準決勝でワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に敗れて3位に入った。また2回戦で敗れたものの11年世界選手権にも出場している。トップランク社と契約を交わして12年11月にプロに転向し、以来5年半に23連勝を飾っている。元IBF王者のエフゲニー・グラドビッチ(ロシア)ら強豪との対戦を経てWBCとWBOで世界1位まで上昇。16年7月、ロマチェンコが返上して空位になっていたWBOフェザー級王座の決定戦で衝撃的な2回TKO勝ちを収めて戴冠を果たした。初防衛戦では大澤宏晋(ロマンサジャパン)を7回TKOで退け、V2戦ではミゲール・マリアガ(コロンビア)、V3戦ではジェネシス・セルバニア(フィリピン/カシミ)をいずれも判定で下している。直近の2試合は自身もダメージを被る打撃戦で、特にセルバニア戦ではダウンを喫するなど危ない場面もあった。しかし、持ち前の強いハートと攻撃力で勝利をもぎ取っている。
 身長166センチ、リーチ168センチのバルデスはフェザー級では体格に恵まれているとはいえないが、積極的に距離を詰めていって思い切りのいい右フックや左フックの上下打ち分け、さらに接近戦では右アッパーも突き上げるなど攻撃力は高いものがある。守りに課題はあるもののダイナミックで魅力的なボクシングをする選手といえる。
 挑戦者のクィッグも好戦的な面を持っている。こちらは身長173センチと比較的大柄で、両ガードを高く上げた構えで圧力をかけ、中間距離で回転の速い連打を見舞うタイプだ。左のジャブは意外に少なく、いきなり飛び込んで右フックや左フックを放つことが多い。接近戦では左のボディブローや右アッパーとパンチは多彩だ。37戦34勝(25KO)1敗2分という戦績を残しており、バルデスには及ばないもののKO率は68パーセントと高い。
 クィッグは12年11月にスーパー・バンタム級で世界王座(当時は暫定王座)を獲得したが、同じころにバルデスはプロデビューしている。9度の世界戦(6勝5KO1敗2分)を経験している先輩として意地をみせたいところでもある。昨年からフレディ・ローチ・トレーナーの指導を受けており、その効果も示しておきたい。
 両者は昨年4月、アメリカのロサンゼルスでスパーリングで手合わせしており、その総数は世界戦3試合分の36ラウンドに及んだという。内容は明らかになっていないが、そのときの感覚は両者に残っているものと思われる。ふたりの戦闘スタイルから考えて中間距離での打撃戦は避けられそうにない。そのうえで相手のことをどれだけ研究したか、相手の弱点を突くことができるか、といった点が勝負のカギになりそうだ。攻撃力で勝るバルデスが中盤から終盤に抜け出すとみるが、厳しい戦いになりそうだ。オッズは3対1でバルデス有利と出ているが、総合力にはそれだけの差はない。

フェザー級トップ戦線の現状

WBA SC:レオ・サンタ・クルス(メキシコ)
WBA   :アブネル・マレス(メキシコ)
WBA 暫定:ヘスス・マヌエル・ロハス(プエルトリコ)
WBC   :ゲイリー・ラッセル(アメリカ)
IBF   :リー・セルビー(イギリス)
WBO   :オスカル・バルデス(メキシコ)

 3階級制覇を成し遂げているWBAスーパー王者のレオ・サンタ・クルス(29=メキシコ)とWBAレギュラー王者のアブネル・マレス(32=メキシコ)が実績面ではトップを行く。このふたりは15年8月に対戦してサンタ・クルスが判定勝ちを収めているが、今夏、団体内の統一戦で再び拳を交えることになった。フェザー級トップ戦線の行方を左右する注目ファイトといえる。
 WBC王者のゲイリー・ラッセル(29=アメリカ)は3年前に戴冠を果たしたが、故障が重なり16年4月に初防衛戦、17年5月にV2戦とスローペースになっている。26戦全勝(14KO)のジョセフ・ディアス(25=アメリカ)との指名防衛戦が課されており、その試合が正念場になりそうだ。ラッセルは08年北京五輪米国代表、ディアスは12年ロンドン五輪代表というアマチュア実績を持っており、そういった意味でも興味深いサウスポー対決といえる。
 IBF王者のリー・セルビー(31=イギリス)は15年5月の戴冠から5度の防衛を果たしている。1位のジョシュ・ウォーリントン(27=イギリス)との指名防衛戦で真価が問われることになる。
今回のオスカル・バルデス(27=メキシコ)対スコット・クィッグ(29=イギリス)も含め、春から夏にかけてフェザー級トップ戦線は大きく動きそうだ。
 無冠組では、18戦全勝(13KO)のマーク・マグサヨ(22=フィリピン)、昨年9月にWBO王者のバルデスとダウン応酬の激闘を展開したジェネシス・セルバニア(フィリピン/カシミ)に注目したい。また、12年ロンドン五輪バンタム級銅メダリストでプロ転向後は6連続KO勝ちを収めている東洋太平洋王者の清水聡(32=大橋)も世界に接近中だ。

13戦全勝の「サムライ」リピネッツに
4階級制覇狙ってガルシアが挑戦

 昨年11月、近藤明広(33=一力)との王座決定戦で12回判定勝ちを収めてベルトを腰に巻いたセルゲイ・リピネッツ(28=カザフスタン/ロシア)の初防衛戦だが、4階級制覇を狙う挑戦者のマイキー・ガルシア(30=アメリカ)により多くの注目が集まっている。
下馬評の高いガルシアが順当に4つめの王座を手に入れるのか、それとも「サムライ」を名乗るリピネッツが意地をみせるのか。
 リピネッツは近藤戦では比較的慎重な戦いに終始したが、本来は頑丈な体を生かして圧力をかけ、右を被せたあと左フックを返す攻撃的なボクシングをするタイプだ。プロキャリア4年、13戦(全勝10KO)と試合数は少ないが、元キックボクサーだっただけに総合的な経験値はまずまず高いとみていい。
 これに対し挑戦者のガルシアはプロキャリア12年、37戦全勝(30KO)という見事な戦績を残している。フェザー級、スーパー・フェザー級、そして現在も保持しているWBCライト級王座を獲得した3階級制覇王者で、識者やファンから高い評価を受けているスター選手だ。身長168センチ、リーチ173センチとスーパー・ライト級にしてはややサイズ不足の印象はあるが、昨年7月のエイドリアン・ブローナー(28=アメリカ)戦では、ウェルター級を含む元4階級制覇王者を相手に体力負けすることがなかった。それが自信にもなっていることだろう。伸びのある左ジャブで相手をコントロールしておき、繋ぎの速い右ストレートを打ち込む正統派のボクサーファイターで、返しの左フックも鋭い。
 12対1で挑戦者有利という、リピネッツにとっては屈辱的なオッズが出ているが、総合的な力にそこまでの差はない。この数字にはガルシアの知名度の高さと期待値が含まれているといっていいだろう。ただし、いつものようにガルシアの左ジャブが機能するようだとリピネッツは苦しい。そうなった場合、徐々にダメージが蓄積していくような展開になる可能性がある。ガルシアの左を外しながら圧力をかけ続け、中間距離での戦いに持ち込めればリピネッツの勝機は広がりそうだが、それが容易ではないことは本人も承知していることだろう。

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