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パッキャオ効果? 世界王者4人を擁するフィリピン
弟分のドネアは11月5日の前座で露払いの防衛戦 2016.10.28

 6階級制覇の実績を誇るスーパースター、マニー・パッキャオ(37=フィリピン)の復帰戦が11月5日(日本時間6日)、アメリカのネバダ州ラスベガス、トーマス&マック・センターで行われる。WBO世界ウェルター級王者のジェシー・バルガス(27=アメリカ)に挑むもので、パッキャオが勝てばこの階級で3度目の戴冠となる。
下院議員から今年5月には上院議員になり二足の草鞋を履きこなすパッキャオは、いまやフィリピンの象徴ともいえる存在で、特にボクシング界では後輩たちに大きな影響を与えている。セミファイナルに出場するWBO世界スーパー・バンタム級王者のノニト・ドネア(33=フィリピン)とともに、パッキャオはフィリピン人ボクサーの強さ、存在感を世界にアピールすることができるか。
※パッキャオ対バルガス、ドネア対ジェシー・マグダレノ(24=アメリカ)のWBO世界スーパー・バンタム級タイトルマッチは、6日(日)午前11時からWOWOWプライムで生中継



この1年で4人の新王者誕生

 もともとフィリピンはボクシングの盛んな国で、初の世界王者誕生は日本(1952年の白井義男氏)よりも30年近く前の1923年(パンチョ・ビラ)と、その歴史は古い。しかし、その後は経済的な問題などもあり世界王者輩出数では日本が男女合計87人、フィリピンが44人とダブル・スコアで日本が上回っている(boxrec参照)。パッキャオがアメリカ進出を果たした2001年以降もフィリピンは世界王者不在の時期があったが、近年は大先輩に続けとばかり若手の活躍が顕著だ。特にこの1年は大豊作ともいえる活況が続いている。
 昨年の11月に遡ってみると、当時、フィリピン出身の世界王者はWBOライト・フライ級のドニー・ニエテスひとりだった。その1ヵ月後、パッキャオの弟分ともいえるノニト・ドネアがWBOスーパー・バンタム級王座を獲得して弾みをつけると、今年5月にはジョンリエル・カシメロがアムナット・ルエンロエン(タイ)を逆転の4回KOで破ってIBFフライ級王座を奪取。2ヵ月後、WBOバンタム級王者のプンルアン・ソー・ルンビサイ(タイ)に挑んだマーロン・タパレスが、ダウン応酬の激闘をこれも逆転の11回KOで制して続いた。さらに9月、パッキャオとプロモート契約を結んでいるジェルウィン・アンカハスが17戦全勝のマクジョー・アローヨ(プエルトリコ)を攻略、IBFスーパー・フライ級王座を獲得した。その1週間後、カシメロは初防衛を果たしている。
 こうしたなかニエテスは5年間に9度防衛したライト・フライ級王座を返上、いまはWBOフライ級1位にランクされている。現在、フィリピンはドネア、カシメロ、タパレス、アンカハスと4人の現役世界王者を擁しているが、これはイギリス、アメリカ、メキシコ、日本に次ぐ数だ。「パッキャオ効果」といってもいい現象だろう。



「若くて軽量級のサウスポーが多い」という特徴

 フィリピンのトップ・ボクサーたちに関する興味深いデータのひとつとして、サウスポーが多いという特徴がある。左構えのボクサーの割合は通常12%〜18%程度といわれるなか、フィリピンの歴代世界王者のサウスポーの割合は約48%と極めて高い。理由は定かではないが、50年代と60年代に国民的な人気を集めたサウスポーの世界王者、フラッシュ・エロルデの影響が現在も引き継がれているではないかといわれてもいる。ちなみにパッキャオのほかタパレス、アンカハスも左構えだ。比較的サウスポーの割合が低いメキシコとは好対照といえる。
 体重50キロ代の軽量級の選手層が厚く、世界王座も国外で奪取するケースが多いのもフィリピンの特徴だ。現在の王座もドネアがプエルトリコ、カシメロが中国、タパレスがタイで手に入れたものだ。スポーツ・ビジネスという側面から考えた場合、必然的に国外に出て勝負をかけるケースが増えるのは仕方ないのかもしれない。さらに15年前にパッキャオがアメリカに進出して大成功を収めた前例が、彼らの海外進出の動機づけになっていることも忘れてはなるまい。試合地のみならずドネアやカシメロのように国外の有力プロモーターと契約を交わしている選手も少なくない。これも世界的なプロモート会社、アメリカのトップランク社と契約したパッキャオの好影響といっていいだろう。
 また、パッキャオをはじめ、日本で何度も世界戦を行ったベン・ビラフロア、来日して平中明信から王座を奪ったモーリス・イーストらのように、10代で世界王座を獲得するなど出世の早い選手が多いのもフィリピンの特徴のひとつに数えられる。現役王者をみてもカシメロが26歳、タパレスとアンカハスが24歳と若い。伸びしろを残しながら世界の頂点に駆け上がる選手が多いといっていいだろう。このほか次期王者候補として期待を集めている15戦全勝(11KO)のWBOフェザー級7位、マーク・マグサヨが21歳で続いている。その一方で37歳のパッキャオ、34歳のニエテス、11月に34歳になるドネアら息の長いトップ選手もいるのだから、これも興味深い現象といえる。



5階級制覇のドネアにも注目

 こうしたなか、11月5日(日本時間6日)、いよいよ真打ちのパッキャオ(66戦58勝38KO6敗2分)が登場、「戦う上院議員」としての第一戦を行う。相手のバルガスは今年3月に現在の王座を獲得し、スーパー・ライト級に続いて2階級制覇を成し遂げている。27歳と若く、体格でもパッキャオを大きく上回る。28戦27勝(10KO)1敗とKO率は高くないが、右ストレートは破壊力があるだけに油断ならない相手といえる。
 セミファイナルに登場するドネア(40戦37勝24KO3敗)にも要注目だ。ドネアはフライ級、スーパー・フライ級、バンタム級、スーパー・バンタム級、フェザー級の5階級制覇を成し遂げている世界的なスター選手で、「フィリピーノ・フラッシュ(フィリピンの閃光)」というニックネームを持つ。親日家としても知られ、日本にも多くのファンを持つ。挑戦者は23戦全勝(17KO)の戦績を誇る1位のジェシー・マグダレノ(アメリカ)。ドネアよりも9歳若いホープだ。
 パッキャオ対バルガス、ドネア対マグダレノは奇しくも「経験値の高いフィリピン人ボクサー対勢いのあるアメリカの若手」という構図になる。酸いも甘いも噛み分けた30代のフィリピン勢が圧倒するのか、それとも若くて勢いのあるアメリカ勢が新時代の扉を開けるのか。2試合とも見逃せないカードだ。


Written by ボクシングライター原功

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